新型コロナと通常診療の両立を目指し

本邦における新型コロナウイルス感染症による被害状況は、この3年間に6回に亘るピークをもたらしながら、2022年3月17日時点でのべ592万人、すなわち人口1億2530万人の4.72%に感染し、2万6682人(感染者の0.45%)の死亡者を出す結果となっています。そうした中、私ども東海大学医学部付属東京病院は、2020年7月より新型コロナウイルス感染症重点医療機関に認定され、同9月からは2フロアー60床全てを新型コロナ対応へと変更し、国内の大学病院においてトップクラスの1000人を超える患者様を治療して参りました。

一方この間、掛かり付けの患者様や、日頃より当院に患者様をご紹介下さっている先生方に、多大なるご不便とご迷惑をお掛けして参りましたことを大変心苦しく思って居りました。そこで昨年10月、第5波の収束により都内感染者が二桁前半に留まった時期より、新型コロナ以外の一般の患者様のご入院を受け入れる体制を整えました。あくまで感染状況を睨みながら、重点医療機関としての責務を中心に据えての診療ではございますが、この2022年度は、大学病院として持てる力を本来の診療分野にも存分に注いで参りますので、ぜひ今年度は専門領域の診療にもご期待頂きたいと思います。

私の基本方針は、今年も病院長として着任した2018年から変わることはありません。すなわち“病める人々を慈しむ心、出来ることは何でも速やかに施す精神を常に心がけ、創立者が提唱した「患者さまの精神的な支えとなり、心あたたまる人間性豊かな病院」を、より高いレベルで達成してゆく事”です。この医療職としての普遍的姿勢を実践し、皆様に更なるご信頼を頂けますよう、大学人としての研鑽と共に邁進して参ります。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

病院長

西﨑 泰弘