声帯や喉頭疾患に対する検査・診断・治療を行う専門の部門です

声帯疾患に対する音声外科的治療、喉頭疾患に対する頭頸部外科的治療、喉頭ガン・下咽頭ガン検診などをはじめとする検査、治療やそれらに関連する嚥下機能や呼吸機能の評価、さらに音声言語障害や嚥下障害、喉頭摘出後のリハビリテーションまでの包括的診療を行います。声帯ポリープなどに代 表される器質的音声障害のみならず、明らかな病変の認められない機能的音声障害、年齢変化に伴う音声障害など、専門性を有した医師やコメディカルスタッフが結集しました。手術的治療にこだわらず音声治療も包括した、お一人おひとりに最適な治療法を追及することを目標としています。

当クリニックの特長

年間2500名以上の新患喉頭疾患を診察し、300例以上の音声外科手術を施行しており、その実績は高く評価されています。特に、多くの声帯結節や 声帯ポリープは、発声習慣に起因することが多いといわれていますから、手術すればよいというわけではなく、術後のリハビリテーションである音声治療も含めた総合的な治療が必要と考えています。したがって、手術直後より、専任の言語聴覚士により疾患に合わせた個別の音声治療を行っています。その他、加齢による声帯の萎縮などに対する音声治療も積極的に行っており、「声の抗加齢」にも力を入れています。

とくに、当院における反回神経麻痺症例に対する頬部脂肪組織を用いた喉頭形成術は人工物を使用せず、自分自身の組織のみを使い、皮膚切開を行わずにできる画期的な音声改善手術として多くの施設から御紹介をいただき、実績を上げています。

さらに、2013年より国際医療福祉大学言語聴覚学科の新美成二教授が、機能性音声障害や言語障害を中心とした診療を担当し、吃音、構音障害、心因性音声障害などに対する診断、訓練、検査を専門とした部門も併設しました。

治療実績

012年開設以来:診断・治療した主な疾患:声帯結節265例、声帯ポリープ149例、反回神経麻痺130例、声帯溝症75例、声帯萎縮57例、喉頭がんを含めた声帯白斑病変57例、機能性音声障害158例など。

主な手術症例数

2015年度:喉頭顕微鏡下手術238例、喉頭形成術40例、声門開大術4例
2014年度:喉頭顕微鏡下手術252件、喉頭形成術23件、声門開大術1例
2013年度:喉頭顕微鏡下手術268例、喉頭形成術42例、声門開大術3例

自家脂肪組織を用いた喉頭形成術

当クリニックは、日本で唯一、頬部脂肪組織を用いた喉頭形成術を行っている施設です。この方法は皮膚切開が不要で、自分の脂肪組織を使った最も安全な注入療法です。
適応疾患:反回神経麻痺、声帯萎縮、声帯溝症などで息漏れのする声

最近の関連業績:
パネル:
線維芽細胞増殖因子を用いた声帯内自家脂肪注入術(2015年・第27回日本喉頭科学会、2014年・第26回日本喉頭科学会)
音声機能回復技術とその回復(2015年・日本音声言語医学会)
シンポジウム:
Use of the Buccal Fat Pad for the Vocal Fold Injection(2013年、第20回世界耳鼻咽喉科会)
特別企画:
喉頭脂肪注入術の実際(2013年、第25回日本喉頭科学会)

当クリニックの設備

(1) 電子内視鏡:色の再現性に優れ超高解度像の画像により診察診断が可能です。
内視鏡の直径は3.5㎜で、検査時の苦痛も最小限になりました。
分光型の装置により早期悪性腫瘍の診断にも有用です。

(2) 喉頭ストロボスコープ:発声した際の声帯の振動状態をスローモーション像としてとらえ、癌などの微小な病変の検出に威力を発揮します。電子内視鏡と接続し、供覧装置により視覚的に説明します。

(3) 発声機能検査・音響分析装置:声帯の機能評価や嗄声(声嗄れ)の程度を測定評価します。
音響分析については、千葉工業大学情報科学部情報工学科准教授世木秀明先生のご指導をいただいています。

(4) 発話時間測定:音声酷使の評価を行います。

当クリニックは、以上のような疾患の鑑別、治療効果の判定を行う専門施設です。

電子内視鏡と喉頭ストロボスコープ
電子内視鏡と喉頭ストロボスコープ

発声機能検査装置
発声機能検査装置

※ 画像の実例は牧野耳鼻咽喉科医院ホームページにリンクしています。

正常声帯静止画像

p03

正常声帯のビデオ像

> ビデオ1  > ビデオ2

通常光源、ストロボ光源での観察。特にビデオ2は後者のみ。

ストロボスコープについて

声帯粘膜は、日常会話の発声時に 100〜 300Hzの周期で振動します。もちろん通常光源では動的状態は確認できません。ストロボスコープは工業目的、高速で回転する機器の保守のために使われています。例えば、 100Hzで回転するプロペラに 101Hzの光源をあてますと1秒間1回転する像が観察できるはずです。映画などでヘリコプターのローターがゆっくり回転しているように見える場合があります。これは、映画のコマ数の倍数とプロペラの回転数がほぼ一致しているからです。

この原理を活かしたのがこの機器で発声時の微細な声帯疾患の診断には不可欠です。発声時の声帯間隙の有無、声帯粘膜波動の大きさと規則性、対称性が主たる観察パラメーターとなります。

以下で実例を挙げて説明します。

> ビデオ1 (通常光源+硬性声帯鏡)
ビデオ1は軽症の声帯結節を通常光源で観察した像です。振動している部分の微細な状態ははっきり確認できません。結節なしと診断される可能性もあります。

> ビデオ2 (ストロボ光源+硬性声帯鏡)
ビデオ2は同じ症例をストロボ光源で観察した像です。発声時に声帯中央部の結節により声門閉鎖不全がはっきり認められます。砂時計状態と表現します。特に前方の間隙と嗄声の程度は比例します。

> ビデオ3 (通常光源+喉頭ファイバー)
ビデオ3は通常光源で喉頭ファイバーを使用して観察した像です。嗄声の症例ですがポリープ他は認められず、この方法では診断は不明となります。

> ビデオ4 (ストロボ光源+硬性声帯鏡)
ビデオ4は同じ症例をストロボ光源で硬性声帯鏡を使用して観察した像です。発声時に声帯中央部が、がに股状に開くのが確認できます。加齢による声帯萎縮の一例です。

代表的な声帯の疾患について

声帯ポリープ    > 静止画    > ビデオ
巷ではカラオケポリープなどが有名。一般的な嗄れ声の原因。

声帯癌       > 静止画    > ビデオ
嗄れ声のために早期発見される可能性が高い。他の部位の癌に比較的して予後良好。

声帯白板症     > 静止画    > ビデオ
癌の予備軍ともいわれ、約5%が癌になる。喫煙に関係あり。

声帯結節      > 静止画    > ビデオ1   > ビデオ2
子供、成人女性に多い。女性歌手が歌えなくなるのは大部分この疾患。

ポリープ様声帯   > 静止画    > ビデオ
喫煙による低温火傷なる説もあり。低音の声になる。

片側喉頭麻痺    > 静止画    > ビデオ
息もれの声、原疾患がある場合が多い。

声帯萎縮      > 静止画    > ビデオ
声帯が萎縮し、声帯が完全に閉じない。老人の嗄れ声の原因に多い。

声帯溝症      > 静止画    > ビデオ
声帯に縦に溝があり、上記疾患と同様な発声時形態となる。

乳頭腫       > 静止画    > ビデオ
まれな疾患。悪性ではないが完治困難。

肉芽腫症      > 静止画    > ビデオ
全身麻酔による手術後に起こることがある。

音声外科の手術紹介

特殊な鉗子、絞断器、メス、レザーを用いて手術操作を行います。

> 手術用器具

> 声帯ポリープの手術

> 声帯結節の手術

下記ホームページも音声外科専門医が制作しました。ここに詳しい内容があります。

> 牧野耳鼻咽喉科医院ホームページ